OFFICE JOURNAL ARTICLE

離婚調停に行くときの服装について

FROM TOKUSHIMA MIRAI8分で読めます

離婚調停に行くときの服装について

家庭裁判所から離婚調停の期日通知書が届いて、当日の服装に迷っておられませんか。スーツを着ていくべきなのか、普段着でよいのか。ご相談の場でも、実際によくお尋ねをいただく質問です。

結論から申し上げると、離婚調停の服装に決まりはありません。ただ、まったく気にしなくてよいかというと、そうとも言い切れないところがあります。

この記事では、徳島家庭裁判所での調停に立ち会ってきた弁護士の視点から、服装の考え方、男女別の具体的な目安、避けたほうがよい服装、そして服装以上に見られている点まで整理します。

離婚調停の服装に決まりはありません

まず前提として、調停に出席するときの服装について、ドレスコードのような決まりはありません。裁判所から服装を指定されることもありません。

徳島家庭裁判所の待合室の様子を見ていても、しっかりとスーツを着ておられる方はそれほど多くない印象です。スーツ姿の多くは弁護士です。

離婚調停は、裁判とは異なり、調停委員を介して話し合いを進めていく手続です。法廷で証人尋問を受けるような場面ではありませんので、カジュアルな服装であっても基本的に差し支えありません。

たとえば現場のお仕事をされている方が、何年も前に買ってタンスに眠っていたスーツを引っ張り出して着るよりも、普段の作業着でお越しになったほうが、その方らしさが自然に伝わることもあります。無理に「よそ行き」を作る必要はない、というのが出発点です。

それでも服装に気を配ったほうがよい理由

とはいえ、調停は自分のファッションを見せる場でもありません。服装に少し気を配ったほうがよい理由は、話し相手が誰かという点にあります。

家事調停は、裁判官1人と家事調停委員2人以上で組織される調停委員会が担当します(家事事件手続法248条1項)。期日で実際にお話を聞くのは、主にこの調停委員2名です。

そして家事調停委員は、原則として40歳以上70歳未満の方の中から最高裁判所が任命することとされています(民事調停委員及び家事調停委員規則1条)。つまり、ある程度年齢層が上の方々と、初対面で向き合うことになります。

調停委員は、あなたのことをその日初めて知ります。限られた時間の中で事情を伝えなければならない場面で、話す内容と同じくらい、入口の印象は影響し得ます。

服装そのものが調停の結論を決めるわけではありません。ただ、余計な誤解を招く要素は減らしておいたほうが、話を聞いてもらいやすくなる場合があります。

女性の服装の目安

迷われた場合は、オフィスカジュアルを一段落ち着かせたくらいを目安にしていただくとよいと思います。

  • ブラウスやカットソーに、スラックスまたは膝丈のスカート

  • 羽織るものを1枚(カーディガンやジャケット)

  • 色は白、紺、グレー、ベージュなど落ち着いたもの

  • 靴はヒールの低いパンプスやフラットシューズ

  • メイク、ネイル、アクセサリーは控えめに

妊娠中の方や産後間もない方は、体調を最優先にしてください。ゆったりした服装で差し支えありませんし、そのことで不利に扱われることはありません。

男性の服装の目安

スーツをお持ちでなくても問題ありません。襟のあるシャツがあれば十分に整って見えます。

  • 襟付きのシャツに、チノパンまたはスラックス

  • ジャケットがあれば羽織る(ネクタイまでは不要です)

  • 夏場はポロシャツでも差し支えありません

  • 靴は革靴か、シンプルなスニーカー

お仕事を抜けて来られる方が作業着や制服のままお越しになることも、珍しくありません。事情がある中で時間を作って出席しているという点は、むしろ自然に伝わります。

区分

無難な服装

避けたい服装

女性

ブラウス、カットソー、膝丈スカート、スラックス、カーディガン

極端に短いスカート、露出の多い服、派手なネイルやメイク

男性

襟付きシャツ、チノパン、スラックス、ジャケット

短パン、ダメージ加工のジーンズ、タンクトップ

共通

清潔感があり、落ち着いた色合いのもの

サンダル、大きなロゴや文字の入った服、強い香水

避けたほうがよい服装

具体的に避けたほうがよいものを挙げます。いずれも、不誠実な印象を与えてしまう可能性があるためです。

  • 短パン、ダメージ加工のジーンズ、サンダル

  • 極端に短いスカートや、露出の多い服

  • 派手なメイクやネイル

  • 大きなロゴやメッセージが入った服

  • 強い香水(調停室は狭く、長時間同じ部屋で過ごします)

もう一点、見落とされがちな点があります。婚姻費用や養育費など、お金の話をする期日では、全身を高価なブランド品で固めた装いが、説明したい経済状況とちぐはぐな印象を生むことがあります。

反対に、実際よりも困窮して見えるように演出する必要もありません。作り込んだ姿は、かえって不自然に映ることがあります。ふだんのご自身のまま、清潔に整えていただくのがよいと思います。

服装よりも見られていること

実際のところ、服装よりも印象を左右する要素があります。

  • 時間に余裕をもって到着する。申立人と相手方は別々の待合室に通されます。受付や移動に時間がかかることを見込んでください

  • 携帯電話をマナーモードにする。調停室で着信音が鳴ると、話の流れが切れてしまいます

  • 資料をまとめておく。その場で鞄をかき回さずに済むよう、順番に並べておくと落ち着いて話せます

  • 相手方の主張に感情的に反応しない。調停委員から相手方の言い分を伝えられたとき、その受け止め方は見られています

  • 話が長くなりすぎないようにする。伝えたい順に整理しておくと、限られた時間を使い切らずに済みます

身だしなみで言えば、高価な服を着ることよりも、髪を整えている、服にしわや汚れがない、といった点のほうが伝わります。

季節の注意点と、2回目以降の考え方

夏の期日

徳島の夏は暑く、裁判所までの移動だけで汗をかきます。上着を無理に着る必要はありません。クールビズ程度の装いで十分です。ただし冷房が効いている部屋もありますので、薄手の羽織るものが1枚あると安心です。

冬の期日

待合室と調停室で体感温度が違うことがあります。脱ぎ着で調節できる服装にしておくと、待ち時間が楽になります。

待ち時間が長いことを見込む

調停は、申立人と相手方が交互に調停室へ呼ばれる形で進みます。そのため、自分の順番を待つ時間が長くなり、1回の期日が2時間程度に及ぶこともあります。締め付けの強い服や、履き慣れない靴は避けたほうが体力を使いません。

2回目以降

回を重ねて、調停委員の中であなたの人柄が伝わってきていれば、より普段着に近い服装でも差し支えありません。特に気を配っていただきたいのは、第1回の期日です。

よくあるご質問

Q. スーツを持っていません。この機会に買うべきでしょうか。

A. 買う必要はありません。襟付きのシャツと、落ち着いた色のズボンやスカートがあれば十分です。

Q. 仕事を抜けて行くので、作業着のままになります。

A. 差し支えありません。事情のある中で出席されていることは、自然に伝わります。

Q. 髪の色が明るいのですが、染め直したほうがよいですか。

A. 染め直す必要はありません。清潔に整えてあれば、それ自体が問題になることは多くありません。

Q. 子どもを連れて行く場合、子どもの服装はどうすればよいですか。

A. その前に、お子さんを連れて行けるかどうかをご確認ください。調停は非公開の手続で、お子さんは調停室に入れないのが原則です。預け先や当日の段取りについては離婚調停に子どもを連れて行ってもいい?で詳しく説明しています。裁判所までご一緒される場合、お子さんの服装は普段着で構いません。動きやすさを優先してください。

Q. 服装で調停の結果は変わりますか。

A. 服装そのものが結論を左右するものではありません。ただ、話を聞いてもらう入口の印象を整えておくことには意味があります。

Q. 弁護士に依頼していれば、服装は気にしなくてよいですか。

A. 代理人がついていても、ご本人が調停委員と直接お話しになる場面はあります。考え方は同じです。

まとめ

  • 離婚調停の服装に決まりはなく、スーツである必要はない

  • ただし調停委員は初対面であり、落ち着いた色合いで清潔感のある服装が無難

  • 女性はブラウスにスラックスや膝丈スカート、男性は襟付きシャツにチノパンが目安

  • 短パン、サンダル、露出の多い服、強い香水は避ける

  • 服装以上に、到着時間、資料の準備、感情的にならない受け答えが見られている

  • 特に気を配るのは第1回の期日。回を重ねれば普段着に近くてよい

服装を整えることは、調停の準備のごく一部です。より大切なのは、何を、どの順番で、どこまで話すのかを整理しておくことです。

当事務所が離婚について取り扱っている業務の範囲は離婚・男女問題の取扱分野のページに、費用の考え方は離婚事件の弁護士費用のページに掲載しています。離婚については、事前にご予約のうえご来所いただく方を対象に、初回のご相談を無料でお受けしています。

皆さまからのご相談をお待ちしております。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する法的助言ではありません。 同じように見える事案でも、事情によって結論は異なります。実際のご判断にあたっては、 具体的な事情を踏まえた法律相談をご利用ください。
※記事は2024年9月1日(最終更新 2026年8月22日)時点の法令・実務に基づいています。その後の改正により内容が異なる場合があります。

ご相談・お問い合わせ

ご相談は事前予約制です。電話・LINE・フォームからお問い合わせください。