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離婚調停の期日が決まったものの、当日お子さんをどうすればよいのか分からない。小さなお子さんを育てている方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
実家の親は日中働いている。保育園にはまだ入れていない。相手方やその親族に頼むわけにもいかない。かといって、家庭裁判所に子どもを連れて行ってよいのかどうかは、調べてもはっきりしません。
この記事では、子どもを連れて調停に行くと実際にどうなるのか、預け先が見つからないときにどうすればよいのかをご説明します。
1. 調停室に入れるのは、当事者と代理人の弁護士だけです
離婚調停は、家庭裁判所で行われる当事者同士の話合いです。申立人と相手方が交互に調停室へ呼ばれ、調停委員を介して話を進めます。
この手続は非公開とされており、当事者以外の第三者が参加することはできません。お子さんも第三者にあたりますので、調停室に入ることはできないのが原則です。例外にあたるのは、代理人となっている弁護士など、手続上その立場が認められている方に限られます。
お子さんが乳児の場合も、この扱いは原則として変わりません。もっとも、事前に担当の書記官へ相談しておけば、同席が認められる可能性が全くないとまではいえません。
裏を返せば、何も相談しないまま乳児を連れて行くことは避けていただく必要があります。当日になって、お子さんを見ている方がいないまま調停室へ呼ばれる、ということになりかねません。
2. 徳島家庭裁判所に託児の用意はありません
ここが最も誤解されやすいところです。
徳島家庭裁判所には、調停に来られた方のお子さんを預かる託児サービスはありません。また、裁判所の職員が子どもを見ていてくれることもありません。
待合室も、子どもを預かる場所ではありません。他の事件の当事者も同じ部屋で待っています。歩き回る年齢のお子さんや、目を離せない乳児を、待合室に一人で残しておくことはできません。
「裁判所へ行けば誰かが見てくれるだろう」という前提で出向くと、当日になって困ることになります。
3. 付き添ってくれる方がいれば、連れて 行けます
お子さんを見ていてくれる大人の方と一緒であれば、裁判所へ連れて行くことはできます。調停室に同席することはできませんが、あなたが調停室に入っている間、その方に待合室で見ていてもらう、という形であれば差し支えありません。ご自身の母親や姉妹と二人で来られる方もいらっしゃいます。
ただし、調停は1回の期日で2時間から3時間ほどかかります。受付を済ませ、待合室で待ち、調停室に呼ばれて話し、また待合室に戻る。これを何度か繰り返しますので、半日がかりになるとお考えください。
付き添いの方にもその間ずっとお付き合いいただくことになりますし、お子さんにとっても長い時間です。連れて行くかどうかは、この時間を前提にご判断ください。
なお、乳幼児を連れて行かれる場合は、いずれにしても事前に担当の書記官へ相談しておいてください。授乳やおむつ替えのために、別室の待合室を用意してもらえる可能性があります。
連絡は、期日通知に書かれている連絡先へ電話をすれば足ります。気を遣われる必要はありません。次のような点を伝え、確認しておかれるとよいと思います。
乳幼児を連れて行く予定であること
授乳やおむつ替えができる場所があるか
子どもを見ている付き添いの方を一緒に連れて行ってよいか
子連れであることを踏まえ、待ち時間について配慮を受けられるか
4. 子どもを連れて行くと、親権の判断で不利になるのか
預け先がなくて連れて行ったことが、監護能力が低いと見られるのではないか。そう心配される方がいらっしゃいます。
やむを得ず連れて行かれたこと自体が、それだけで不利に評価されることは通常ありません。幼いお子さんを一人で育てている親が、日中の預け先を確保できないのは自然なことです。
一方で、次のような行為は、マイナスに評価される可能性があります。
子どもに「今日はお父さんと会うために裁判所へ行く」などと説明し、手続に巻き込む
待合室や庁舎内で、子どもに相手方の悪口を聞かせる
子どもを連れて行き、「この子もこう言っています」と主張の材料にする
家庭裁判所は、子の意思を把握するよう努め、年齢や発達の程度に応じてその意思を考慮するものとされています。ただしそれは、家庭裁判所調査官による調査など、適切な方法によって行われるべきものです。親が子どもを裁判所へ連れて来て、その場で気持ちを言わせるようなやり方は、子どもの意思をゆがめるものとして、かえって警戒されることがあります。
ある程度の年齢のお子さんを調停に連れて行くべきでないのは、こうした理由からです。
なお、令和8年4月1日から改正民法が施行され、離婚後も父母双方が親権者となることを選べるようになりました。もっとも、子どもを手続に直接巻き込まないという考え方は、これまでと変わるものではありません。
5. 預け先が見つからないときにとりうる方法
付き添ってくれる方もいない、預け先もない。そうした場合に考えられる方法を挙げます。
まず検討していただきたいのが、ウェブ会議による参加です。令和7年3月1日から、家事調停の期日にウェブ会議を利用できる範囲が広がり、ウェブ会議によって調停を成立させることも可能になりました。
自宅から参加できれば、移動も待ち時間も、預け先の問題も一度に解消します。乳児を養育していて出頭が難しいという事情は、ウェブ会議を求める理由として説明しやすいものです。利用できるかどうかは事件の内容や裁判所の運用によって異なりますので、申立ての段階か、期日通知を受け取った段階で裁判所へお伝えください。
これは徳島では特に意味があります。調停をどの裁判所に申し立てるかは、原則として相手方の住所地によって決まります。県西部にお住まいでも、相手方が徳島市にいれば徳島家庭裁判所の本庁へ出向くことになります。乳幼児を連れて片道1時間以上移動し、そのうえで2時間から3時間の期日に臨むとなると、負担は相当なものです。移動の負担が大きい方こそ、早い段階で申し出ておく意味があります。
次に、期日の時間帯です。調停期日は、午前であれば9時半、午後であれば1時半から始まることが多いです(午後1時15分など、庁や事件によって多少前後します)。付き添いの方の都合に合う時間帯を、希望として伝えておくことができます。
どうしても対応できない日が指定された場合は、分かった時点ですぐに担当書記官へご連絡ください。家事調停の期日変更は、事情があれば調整されるのが実情です。ただし、直前の申出や繰り返しの変更は避けてください。
弁護士に依頼するという方法もあります。もっとも、家事調停は当事者の意向を直接確認する手続ですから、実務上は本人が出席するのが原則です。弁護士がついていても、本人が同席するのが通常だとお考えください。それでも、ウェブ会議の申出や期日の調整といったやり取りを代理人が行いますので、負担は軽くなります。
6. まとめ
調停は非公開の手続で、当事者以外の第三者は参加できません。お子さんは、乳児であっても調停室に入れないのが原則です
ただし乳児の場合、事前に書記官へ相談しておけば、同席が認められる可能性が全くないとまではいえません。何も相談せずに連れて行くことは避けてください
徳島家庭裁判所に託児の用意はなく、職員が子どもを見ていてくれることもありません
お子さんを見ていてくれる付き添いの方と一緒であれば、連れて行けます。ただし調停は1回の期日で2時間から3時間かかります
乳幼児連れの場合は、事前に相談しておけば、授乳などのために別室の待合室を用意してもらえる可能性があります
預け先がなくて連れて行かれたこと自体が、親権の判断で不利になることは通常ありません。ただし、子どもを手続に巻き込む行為は別に考えられます
預け先が見つからないときは、ウェブ会議による参加を早い段階で申し出てください
小さなお子さんを育てながら離婚を進める場合、手続そのものより、当日の段取りのほうが重い負担になりがちです。ここは事前の準備で軽くできます。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する法的助言ではありません。 同じように見える事案でも、事情によって結論は異なります。実際のご判断にあたっては、 具体的な事情を踏まえた法律相談をご利用ください。
※記事は2026年8月22日時点の法令・実務に基づいています。その後の改正により内容が異なる場合があります。

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