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離婚調停の呼出状が届いたら?対応と無視のリスク【弁護士解説】

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離婚調停の呼出状が届いたら?対応と無視のリスク【弁護士解説】

見慣れない封筒の差出人が「〇〇家庭裁判所」になっていて、開けてみると「離婚調停の呼出状」だった——。配偶者から何の前触れもなく調停を申し立てられ、驚いて相談にいらっしゃる方は少なくありません。

何が書かれているのか分からないまま開封するのが怖い、という方もいます。中には、見なかったことにしてそのまま放っておきたい、という気持ちになる方もいるでしょう。しかし、呼出状を無視することには法律上のリスクがあり、放置してよいことはほとんどありません。

この記事では、離婚調停の呼出状に同封されている書類の中身、無視した場合に生じうる不利益、どうしても出席できないときの対処法、弁護士に相談するタイミングについて、徳島の弁護士が解説します。

1. 呼出状に同封されている書類

家庭裁判所から届く封筒には、通常、次のような書類が同封されています。

書類

内容

期日通知書(呼出状)

調停の日時・場所・事件番号が記載された書類です。一般に「呼出状」と呼ばれているのはこれにあたります

申立書の写し

相手(申立人)が、親権や養育費、財産分与などについてどのような離婚条件を求めて調停を申し立てたのかが記載されています

意見・事情等の照会書(回答書)

申立ての内容に対する自分の言い分や、期日に出席できるかどうかを記入して裁判所へ返送する書類です

進行に関する照会回答書

DVやモラハラなど、相手と直接顔を合わせることが難しい事情があるときに、その旨を裁判所へ伝えるための書類です

説明書・地図

調停手続の一般的な流れや、裁判所までの案内が記載されています

まずは落ち着いて、期日がいつなのか、書類の返送期限がいつまでかを確認することが最初にすべきことです。

2. 呼出状を無視するとどうなるか

第1回の期日を無断で欠席すると、多くの場合、家庭裁判所から電話や書面で「出頭するように」との連絡(出頭勧告)が入ります。

それでも正当な理由なく出頭しない状態が続くと、家事事件手続法51条3項(同法258条1項により調停手続にも準用されます)に基づき、5万円以下の過料に処される可能性があります。実際に過料が科される例は多くないとされていますが、制度上のペナルティが定められていることは知っておいてください。

また、出席しないまま手続が進むと、申立人側の言い分だけが裁判所に伝わることになります。話し合いの機会そのものを自ら手放すことになり、その後の交渉や、万一裁判に進んだ場合の心証によい影響を与えるとは考えにくいところです。

「出席しなければ話がなくなる」というわけでもありません。婚姻費用(生活費)の分担を求める調停が離婚調停と同時に申し立てられているケースでは、特に注意が必要です。婚姻費用の調停は不成立になっても自動的に審判の手続きへ移行します。審判では出頭しなくても審理が進み、出頭している相手方の言い分や資料をもとに裁判所が金額を判断します。決定(審判)が出れば、それに基づいて相手方が給料などの差押え(強制執行)に踏み切ってくる可能性があります。

離婚調停そのものは、出席しなければ不成立で終わります。もっとも、その後に相手が離婚訴訟を提起することも考えられます。離婚訴訟(人事訴訟)では、通常の民事訴訟と異なり、被告が欠席しても相手の主張を争わなかったものとして自動的に認めてしまう規定(擬制自白)は適用されません(人事訴訟法19条1項)。とはいえ、反論や証拠を出さないまま欠席を続けると、相手方が提出した証拠だけに基づいて審理が進むことになり、結果として離婚が認められてしまう可能性があります。出頭しないことは、離婚そのものを避ける手段にはならないといえるでしょう。

3. 出席が難しいときの対処法

仕事や体調などの事情で、指定された期日にどうしても出席できない場合は、次のような対応を検討してください。

  • 期日の変更を申し立てる 担当の書記官へ早めに連絡し、変更を相談します

  • ウェブ会議・電話会議での出席を確認する 裁判所によっては、遠方に住んでいる場合などにウェブ会議等での出席が認められることがあります

  • 進行に関する照会回答書を活用する 相手と顔を合わせたくない事情があるときは、待合室や出頭時間を分けてもらえるよう、この書類で申告できます

  • 意見・事情等の照会書だけは期限までに提出する 当日出席できなくても、この書類を提出しておけば、自分の言い分を裁判所に伝えることができます

いずれも、期日の直前になって慌てて連絡するのではなく、呼出状を受け取った時点でできるだけ早く行動することが大切です。

4. 期日までにしておきたい準備

  • 期日・場所・書類の返送期限を確認する

  • 同封された申立書の写しを読み、相手が親権・養育費・財産分与などについてどのような希望を持っているかを把握する

  • 別居に至った経緯や婚姻中の出来事を、時系列で簡単にメモしておく

  • できるだけ早く弁護士に相談し、回答書の書き方や当日の対応について助言を受ける

呼出状が届いた直後、できるだけ早い段階でご相談いただくことをお勧めします。回答書に何をどこまで書くか、当日どのような点を聞かれる可能性があるかは事案によって異なるためです。早めに準備すれば、それだけ落ち着いて期日に臨むことができます。

5. まとめ

  • 呼出状には、期日通知書のほか、申立書の写しや照会書などが同封されています

  • 無視を続けると、出頭勧告や5万円以下の過料の対象となる可能性があります

  • 出席しないことは根本的な解決にならず、その後の話し合いや手続に不利に働くことがあります

  • 出席が難しいときは、期日変更やウェブ会議の利用、照会回答書の活用といった対応策があります

  • 早めに弁護士へ相談することで、落ち着いて準備を進められます

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する法的助言ではありません。 同じように見える事案でも、事情によって結論は異なります。実際のご判断にあたっては、 具体的な事情を踏まえた法律相談をご利用ください。
※記事は2026年8月17日時点の法令・実務に基づいています。その後の改正により内容が異なる場合があります。

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